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年金の受給者条件は差別的取扱いに当たるか?


(考察)
憲法趣旨として、年金の支給は国の国民に対する生活面の向上及び、増進に努めるための一種として考えられているようです。女性の社会進出が増進することで今後の法改正が考えられそうです。

(本文)
地方公務員災害補償法に基づく遺族補償年金が対象とする遺族のうち、
配偶者につき、妻には受給資格年齢を設けず、夫にのみ年齢要件を設けている区分が、差別的取扱いとして憲法14条1項違反となるかが争われた事案

憲法14条1項 :すべての国民は法の下で平等

Xの妻は、公立中学校の教論として勤務していた平成10年10月に自殺
死亡は22年4月に公務災害として認定
Xは、Y基金らに対し、遺族補償年金の支給請求
同年金の受給権者に該当することを支給要件とする3つの給付の支給申請

3つの給付とは)
地方公務員災害補償基金業務規定に基づく遺族特別支給金
遺族特別援護金
遺族特別給付金

地公災法32条1項)
遺族補償年金を受けることができる遺族として
生計維持関係にある配偶者(内縁関係を含む)
子、 父母、孫、祖父母、兄弟姉妹を掲げる。
但し書で、妻以外の者には一定の年齢または障害状態にあることを求めている。
夫に関する年齢要件は、職員死亡時に夫が55歳以上で、60歳から受給が可能

51歳であったXは、受給権者に該当しないとして、請求した給付のいずれも不支給処分

争点)
遺族補償年金の受給要件として、配偶者のうち夫にのみ年齢要件を付加していることが、憲法14条1項に違反するか否か

(判決)
Xの主張を否定

遺族補償などの年金化の趣旨)
基本的に社会保障制度の性格を有する
損害補償の性格は従たるものにとどまる
憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられている。
憲法25条 :すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は全ての生活部面において、社会福祉、社会保障及び、公衆衛生の向上及び、増進に努めなければならない。

何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いをするときは別に憲法14条1項違反の問題を生じ得る。



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