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有期雇用転換後の雇止めの有効性

(重要文言)
契約更新が行われることを前提とする文言が入った本件再雇用契約書を交わしていることからすれば、Xの契約更新への期待は、客観的にみて合理的な期待
雇止めにより終了させる場合には、解雇権濫用法理が類推適用されるというべき

業務量の減少については、その事実自体疑わしい上、仮に事実であったとすればYでは、他の従業員について時間外労働が生じていたのであるから、適切な業務分担を支持すべき

賃金減額について何らの交渉もすることなく、わずか1年前の合意した賃金額が高すぎるとして雇止めを行うことが社会通念上相当であるとは言い難い

(事件概要)
平成21年8月頃 Xは、Yに宛てて、「電算業務要員の人員構成の改善について」を作成・提出、Xの提案が採用

提案内容
① 電算室への正社員1名の補充
② 1名の人件費を補うため、Xの労働契約をパートタイム雇用契約に切り替えて週3日勤務

平成21年12月 正社員1名を採用し、勤務開始
22年3月18日付 職員再雇用契約書

職員再雇用契約書
① 契約期間は22年3月16日より23年3月15日(契約更新は1年ごと)など

平成23年3月15日 Xが、Y法人から解雇又は雇止め

(訴え)
Y法人に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認ならびに賞与(34万2,621円および遅延損害金)、
解雇又は雇止め後の賃金(23年3月16日から毎月26日限り25万円の割合による金員および遅延損害金)及び
不法行為に基づく損害(慰謝料200万円と弁護士費用20万円および遅延損害金)の各支払いを求めた
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早期退職特例の適用の可否と過払金の返還請求

(重要文言)
退職勧奨を受けて定年に達した後に退職した国家公務員は、
国家公務員退職手当法4条1項およびその委任を受けた退手法施行令3条1号並びに退手法5条1項およびその委任を受けた退手法施行令4条2項1号に規定する
「その者の非違によることなく勧奨を受けて退職した者」に該当しないから、
被告Yの新制度切替日前日額を算定するに当たり、
退手法5条の3に規定する定年前早期退職特例は適用されない。

Yが、本件過払金に相当する額を旅行費用として費消したとしても、当該費用の支出を免れた部分について、Yに現存利益が存在するとして、
公法上の不当利得に基づく本件過払金および遅延損害金の支払請求が認容

(事件概要)
原告国XのA税務署で勤務していたYが、退職勧奨に応じて60歳の定年に達した後に退職
Yに対して2958万245円の退職手当を支給
Xは、本来、Yには定年前早期退職特例が適用されないから、
Yに支給されるべき退職手当の額は2884万2544円

(訴え)
本件退職手当との差額である102万9601円が過払いとなっていると主張
Yに対し、公法上の不当利得に基づき、102万9601円及び遅延損害金の支払いを求めた。

(判決)
定年前早期退職特例が適用されるとの判断に基づいて算定された退職手当額を受け取ったYは、本来受け取るべき退職手当額との差額を法律上の原因なくして利得していることになるから、
Yは、原告Xに対し、不当利得に基づき、本件過払金及び遅延損害金の支払い義務を負う。

常勤的非常勤職員の適用の可否

(重要文言)
特別職とされる同条3項の職は限定列挙であると解される。
専門性を有するのは当然のこととし、その専門的な学識や知識などを、常時ではなく、臨時ないし随時業務に役立てるという状況にあるかどうかが重視されなければならず、
正規の職員と異なるかどうかで判断される。

(事件概要)
Xは、1年間の任期でYの非常勤職員に任用され、以後、24年3月31日に退職するまで、毎年1年間の任期で再任用

勤務日数及び勤務時間は同校の常勤職員と同一であって、他の仕事に就いたこともなく、Yから支払われる給料によって生計を立てていた。

昭和31年、特別職の職員の退職手当について、一般職の職員の退職手当とは別個に単独条例として制定することとして、特別職退職手当条例を制定

地方公務員法
同法3条1項 地方公務員の職を一般職と特別職に分け
3項 特別職に該当するものを掲げ
 生活を維持するために常時公務に就くのではなく
 競争試験や職階性などを定める同法の一般的規定の適用を受けない特別職として任用、処遇することを定めたもの
2項 これら特別職に属する職以外の一切の職をすべて一般職と規定


(訴え)
Y市の職員として勤務し退職したXが、退職手当1,092万8,632円及び遅延損害金を求めた。

(判決)
Xは一般職の職員に当たるというべきであるとされて、Xが一般職の職員である事を否定
Xのように、単年度の任用が間断なく継続した者についても同行の適用を排除すべきではなく、
Xは「本件条例2条2項の要件を満たす」とし、Yに対して退職金1,092万8,632円の支払いを命じた。
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