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懲戒免職処分の有効性

(事件概要)
22年6月24日 同僚のAと河川清掃業務に従事していた際、Aが拾い上げた鞄の中から10万円程度の千円札の束を見つけ、バケツの水で洗った後、その約半分をXに交付する様子を、カメラで気づかれないように撮影(Xは受領した後そのまま鞄に戻し、塵芥槽内に放置した)
平成22年12月22日付 以下を理由に大阪市長から懲戒免職処分

(ア) 上記の通り、現金をAと配分してその後廃棄
(イ) 職場で蓄えていた拾得金銭の一部をジュース代に使用
(ウ) 拾得した物品を私的に取得
(エ) 暴言や恐喝などの行為
(オ) 河川事務所内の壁や備品を破損

(訴え)
その理由としている事実の誤認に加え、裁量権の逸脱又は濫用に違法があるから無効であるとして、同処分の取消を求めた。

(判決)
同僚から分配された約5万円を受領した後、元あったカバンに戻して廃棄に至らせた行為は、所有者への返還意思がなかったことが明らか。
Xが拾得した現金やICカード等を領得後に廃棄したこと、拾得したリュックを使用したことは懲戒事由に当たり、また同僚、上司らに対する暴言や器物破損行為が認められるから、懲戒事由

しかし、次の事案を指針の標準例も勘案すると、懲戒処分歴のないXに更生の機会を与えることなく直ちに懲戒免職とした処分は重きに失し、違法というべき
 長年の河川事務所ぐるみの物色・領得行為があり、それを招いたY市に帰責事由が認められること、
 領得によりXは利益を得ておらず、着服した場合との違法性に大きな違いがあること
 一連の粗暴行為に対するYの対応にも問題があったこと
 Xの内部告発により不適切な公務の是正が図られたことは有利な事情と考慮すべきこと
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