固定残業の有効性
(重要文言)
<固定残業の有効性>
基本給に時間外労働手当が含まれると認められるためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分が判別できることが必要
時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分が労基法所定の方法で計算した額を上回っているか否かについて、労働者が確認できるようにすること
賃金規定所定の時間外労働手当相当額が通常時間外の割増賃金のみを対象とするのか休日時間外の割増賃金をも含むのかは判然とせず、割増賃金部分の判別が必要とされる趣旨を満たしているとはいいがたい
<規定自体の合理性>
次の内容に鑑みれば規定自体の合理性にも疑問なしとしないとも指摘
労基法36条の上限として周知されている月45時間を大幅に超えていること
改定時に同規定が予定する残業時間を引き上げるにあたり、支給額を増額するのではなく、基本給全体に対する割増賃金の割合の引き上げで対応していること
<試用期間中の解雇>
試用期間中の労働契約は試用期間中に業務適格性が否定された場合には解約しうる旨の解約権が留保された契約であると解されるから、使用者は留保した解約権を通常の解雇よりも広い範囲で行使することが可能であるが、その行使は解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として是認されうる場合でなければならない。
(事件概要)
平成23年5月10日 Y社に獣医として入社
平成23年11月9日 解雇
<就業規則>
休日は原則として週休2日制とし、各人の休日について事前にシフトで定める
<賃金規定>
以下の式により算出される金額を75時間分の時間外労働手当相当額及び30時間分の深夜労働手当相当額として、能力基本給および年功給に含むもの
<固定残業代規定>
75時間分の時間外労働手当相当額=(能力基本給+年功給)×34.5%
30時間分の深夜労働手当相当額=((能力基本給+年功給))×3.0%
その月の時間外労働手当、法定休日労働手当及び深夜労働手当の合計額が前各号の時間外労働手当相当額を超える場合には、会社は、その超過分について支払う。
(訴え)
解雇理由とされる事実自体が存在せず社会通念上相当性を欠いているなどと主張
① 雇用契約上の地位確認
② 本件解雇後の23年11月から本判決確定まで毎月末日限り30万2,000円の賃金及び遅延損害金
③ 割増賃金及び遅延損害金
④ 付加金
⑤ 精神疾患に罹患したとして、不法行為に基づき、慰謝料および遅延損害金
(判決)
割増賃金の支払い、付加金の支払いを命じている。
留保解約権の濫用として無効
<固定残業の有効性>
基本給に時間外労働手当が含まれると認められるためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分が判別できることが必要
時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分が労基法所定の方法で計算した額を上回っているか否かについて、労働者が確認できるようにすること
賃金規定所定の時間外労働手当相当額が通常時間外の割増賃金のみを対象とするのか休日時間外の割増賃金をも含むのかは判然とせず、割増賃金部分の判別が必要とされる趣旨を満たしているとはいいがたい
<規定自体の合理性>
次の内容に鑑みれば規定自体の合理性にも疑問なしとしないとも指摘
労基法36条の上限として周知されている月45時間を大幅に超えていること
改定時に同規定が予定する残業時間を引き上げるにあたり、支給額を増額するのではなく、基本給全体に対する割増賃金の割合の引き上げで対応していること
<試用期間中の解雇>
試用期間中の労働契約は試用期間中に業務適格性が否定された場合には解約しうる旨の解約権が留保された契約であると解されるから、使用者は留保した解約権を通常の解雇よりも広い範囲で行使することが可能であるが、その行使は解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として是認されうる場合でなければならない。
(事件概要)
平成23年5月10日 Y社に獣医として入社
平成23年11月9日 解雇
<就業規則>
休日は原則として週休2日制とし、各人の休日について事前にシフトで定める
<賃金規定>
以下の式により算出される金額を75時間分の時間外労働手当相当額及び30時間分の深夜労働手当相当額として、能力基本給および年功給に含むもの
<固定残業代規定>
75時間分の時間外労働手当相当額=(能力基本給+年功給)×34.5%
30時間分の深夜労働手当相当額=((能力基本給+年功給))×3.0%
その月の時間外労働手当、法定休日労働手当及び深夜労働手当の合計額が前各号の時間外労働手当相当額を超える場合には、会社は、その超過分について支払う。
(訴え)
解雇理由とされる事実自体が存在せず社会通念上相当性を欠いているなどと主張
① 雇用契約上の地位確認
② 本件解雇後の23年11月から本判決確定まで毎月末日限り30万2,000円の賃金及び遅延損害金
③ 割増賃金及び遅延損害金
④ 付加金
⑤ 精神疾患に罹患したとして、不法行為に基づき、慰謝料および遅延損害金
(判決)
割増賃金の支払い、付加金の支払いを命じている。
留保解約権の濫用として無効
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