訓練中に死亡した隊員の遺族による損害賠償請求
(参考文言)
訓練には本来的に生命身体に対する一定の危険が内在している。
訓練の指導に当たるものは、訓練に内在する危険から訓練者を保護するため、常に安全面に配慮し、事故の発生を未然に防止すべき一般的な注意義務を負うというべき
(参考条文)
第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
民法724条前段にいう「損害及び加害者を知った時」とは、単に損害を知るにとどまらず、加害行為が不法行為である言雄も合わせ知ることを要する。
Xらが、損害及び加害者を知ったのは、早くとも本件委員会報告書などを入手した平成20年8月頃であるというべき
本件訴えを提起した22年8月3日の時点で、消滅時効が完成していたという事はできない。
(参考)
<近親者固有の慰謝料請求権>
【民法 第711条】
他人の生命を侵害した者は,被害者の父母,配偶者及び子に対しては,その財産権が侵害されなかった場合においても,損害の賠償をしなければならない。
交通事故による損害賠償請求権は,損害を受けた人,つまり,交通事故の被害者が取得するのが原則です。死亡事故の場合であれば,被害者の相続人の方が,その被害者本人に発生した損害賠償請求権を相続することになります。
したがって,被害者の方(死亡事故の場合は相続人の方)以外の方は,損害賠償を請求できないというのが原則論となります。
しかし,家族・親族・遺族も,大切な家族が交通事故に遭い,また最悪の場合にその家族を失うのですから,精神的苦痛が大きいことは当然です。
そこで,上記民法711条は,不法行為の被害者の近親者にも,(被害者から相続したものではない)被害者という家族を失ったことによる精神的苦痛による損害賠償を請求することができることを定めています。
これを,被害者の損害賠償請求に対して,「近親者固有の慰謝料請求権」と呼ぶことがあります。
(訴え)
Kの父母である原告Xらが、国Yに対し、陸上自衛隊員であったKが徒手格闘訓練中に意識を失って死亡したことについて、指導教官などに安全配慮義務を怠った過失があるなどと主張
国家賠償法1条1項(予備的に債務不履行)に基づく損害賠償を求めた。
(判決)
受け身の習熟度の低いKが、D士長の投げ返しに対して適切に受け身を取ることができず、頭部を打ち付ける危険性は十分にあったというべき
C3曹もかかる危険性を予見し得た。
Dに投げ返しを認めたCには、指導教官として負う注意義務に違反する過失があったものというべき
過失によりKを死亡に至らしめたという事ができる。
Yには国家賠償法1条1項に基づき損害を賠償すべき責任がある。
Kの逸失利益4125万余円
慰謝料2000万円
Xらに生じた固有の慰謝料各200万円
訓練には本来的に生命身体に対する一定の危険が内在している。
訓練の指導に当たるものは、訓練に内在する危険から訓練者を保護するため、常に安全面に配慮し、事故の発生を未然に防止すべき一般的な注意義務を負うというべき
(参考条文)
第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
民法724条前段にいう「損害及び加害者を知った時」とは、単に損害を知るにとどまらず、加害行為が不法行為である言雄も合わせ知ることを要する。
Xらが、損害及び加害者を知ったのは、早くとも本件委員会報告書などを入手した平成20年8月頃であるというべき
本件訴えを提起した22年8月3日の時点で、消滅時効が完成していたという事はできない。
(参考)
<近親者固有の慰謝料請求権>
【民法 第711条】
他人の生命を侵害した者は,被害者の父母,配偶者及び子に対しては,その財産権が侵害されなかった場合においても,損害の賠償をしなければならない。
交通事故による損害賠償請求権は,損害を受けた人,つまり,交通事故の被害者が取得するのが原則です。死亡事故の場合であれば,被害者の相続人の方が,その被害者本人に発生した損害賠償請求権を相続することになります。
したがって,被害者の方(死亡事故の場合は相続人の方)以外の方は,損害賠償を請求できないというのが原則論となります。
しかし,家族・親族・遺族も,大切な家族が交通事故に遭い,また最悪の場合にその家族を失うのですから,精神的苦痛が大きいことは当然です。
そこで,上記民法711条は,不法行為の被害者の近親者にも,(被害者から相続したものではない)被害者という家族を失ったことによる精神的苦痛による損害賠償を請求することができることを定めています。
これを,被害者の損害賠償請求に対して,「近親者固有の慰謝料請求権」と呼ぶことがあります。
(訴え)
Kの父母である原告Xらが、国Yに対し、陸上自衛隊員であったKが徒手格闘訓練中に意識を失って死亡したことについて、指導教官などに安全配慮義務を怠った過失があるなどと主張
国家賠償法1条1項(予備的に債務不履行)に基づく損害賠償を求めた。
(判決)
受け身の習熟度の低いKが、D士長の投げ返しに対して適切に受け身を取ることができず、頭部を打ち付ける危険性は十分にあったというべき
C3曹もかかる危険性を予見し得た。
Dに投げ返しを認めたCには、指導教官として負う注意義務に違反する過失があったものというべき
過失によりKを死亡に至らしめたという事ができる。
Yには国家賠償法1条1項に基づき損害を賠償すべき責任がある。
Kの逸失利益4125万余円
慰謝料2000万円
Xらに生じた固有の慰謝料各200万円
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