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退職強要の違法性及び、休職期間満了を理由の解雇の有効性

(重要文言)
退職勧奨は、その自由な意思形成を阻害するものであってはならない。
退職勧奨の態様が、退職に関する労働者の自由な意思形成を促す行為として許容される限度を逸脱し、労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであったと認められるような場合には、
当該退職勧奨は、労働者の退職に関する自己決定権を侵害するものとして違法性を有し、使用者は、当該退職勧奨を受けた労働者に対し、不法行為に基づく損害賠償義務を負う。

<業務起因性>
精神障害を発症している労働者について、
平均的労働者であっても精神障害を発症させる危険性を有するほどに強い心理的負荷となるような出来事があり、
概ね6か月以内に精神障害が自然経過を超えて悪化した場合には、
精神障害の悪化について業務起因性を認めるのが相当

(事件概要)
平成21年3月 うつ病と診断
同年8月17日から22年2月28日まで 第一回休職
同年3月1日より復職可能と認めると診断 リハビリ勤務 賃金は休養前の75%
平成22年8月22日 第1回面談 同年9月末日での退職に向けて返事がほしい
同年8月24日 第2回面談 仕事や会社から離れた方が良いのではないか
同月26日 第3回面談 CとDは、体調のことを考えると続けられないと言って退職を説得
同月29日 第4回面談 退職の意思表示はしないことを伝えた。
同月30日 第5回面談 「これ以上何もなければ解雇はしない」等といった。
合計5回の面談 約1時間から2時間行われた。

さらに体調が悪化
うつ病により3か月の休養加療を要すると診断
平成23日9月1日から同年11月30日までの3か月間休職
同年12月1日付書面 休職期間満了により退職となる旨などを通知

(訴え)
① 退職強要により精神的苦痛を被ったとして不法行為に基づいて慰謝料の支払い
② 休職期間満了により退職扱いされたことについて、これが無効であるとして労働契約上の地位確認及び退職扱い後の賃金支払い
③ 未払残業代の支払い

(判決)
Xの退職に関する自己決定権を侵害する違法なものと認めるのが相当
業務起因性を認め、休職期間満了により退職したとすることはできず、労働契約上の権利を有する地位にある
退職勧奨による慰謝料30万円、未払賃金の請求50万6,309円
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