派遣社員らに対する雇止めの有効性
(重要文言)
派遣先が実質的に派遣労働者の採用、賃金額その他の労働条件を決定し、
配置、懲戒などを行うなどして、
派遣労働者を派遣先の労働者と同一視することができるような特段の事情がある場合には、
派遣先と派遣労働者との間において、黙示の労働契約が成立していると認める余地が生じる
Y4社において、独自の判断でX1及びX2の賃金を決定、労働時間の管理
Y1社が採用面接に類した質疑応答をした上で、同人らを受け入れることが可能であることをY4に伝えていた。
しかし、両人を選定したのはY4であって、上記面談があったとしても、Y1において、採用行為を行ったとまではいうことができない。
仮に派遣法に違反する労働者派遣が行われた場合においても、特段の事情がない限り、そのことだけによって派遣労働者と派遣元との間の雇用契約が無効になることはない。
<雇止めの有効性>
受注変動による要員の増減は期間従業員及び派遣従業員によって調整されていることが認められ、
Y2社の期間従業員の労働契約書には、契約更新の判断基準として、「会社の経営状況による契約期間満了時の業務量」との記載がされている。
受注量の増減に対応して期間従業員の増減を行う事は当然に予定されていた。
<不法行為>
労働者派遣法が「行政上の取締法規であることを踏まえれば、仮に、同法に違反する事実が認められたとしても、そのことから、直ちに派遣労働者の個々具体的な法律上保護されるべき利益が損なわれたものとみることはできない」
仮にY1社において労働者派遣法に違反する何らかの事実が認められたとしても、X5の何らかの権利又は法律上保護された利益が侵害されたとは認められず、Y1社に不法行為責任が生じるとはいえない。
(事件概要)
X1、X2は、Y1社を派遣先、Y4社を派遣元とする派遣労働者
平成21年2月 Y1からY4に対し、X1及びX2が行っていた業務に関し労働者派遣契約を更新しないとの連絡
同月16日 Y4はX1及びX2に対し同年3月31日の期間満了をもって派遣労働契約を終了すると通告
X3及びX4は、Y2に雇用された期間従業員
平成21年1月 リーマンショックに起因し、受注量の急減などにより、X3及びX4を含む期間従業員265名全員との雇用契約を同年3月28日で打ち切ることとし、通知
平成16年9月1日から17年7月31日まで
X5は、派遣従業員として、Y1に派遣
17年8月から18年1月31日まで
Y1社との間で期間従業員としての労働契約を締結し就労
18年2月から同年8月まで
Y3と派遣労働契約を締結し、Y1に就労
18年9月から同年12月まで
Y1に期間従業員として就労
19年1月から20年3月31日まで
Y3と派遣労働契約を締結し、Y1で派遣従業員として就労
20年2月頃 無断欠勤だったこともあり、Y3はX5の派遣就労を終了
20年3月26日 Y2社に派遣されて就労
21年2月 Y3とY2との間の労働者派遣契約が同契約の定めに基づき解除
Y3は、X5の派遣労働契約を、終期を待たず、同年2月28日又は同年3月4日に解雇
(訴え)
Y1社との間で労働契約が成立しているとして、地位の確認及び平成21年5月以降到来する分の賃金の支払い
Y1及びY4に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求め
Y2の雇止めが無効
Y2に対し、21年3月29日以降の労働者たる地位の確認
21年5月以降到来する分の賃金と満期慰労金の支払いを求める。
Y2及びY1に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求める。
Xら(X5、X1からX4)は、Y3を派遣元、Y1社、その後Y2社を派遣先として就労
Y1との間で労働契約が成立しているとして
Y1に対し、労働者たる地位の確認および21年2月以降到来する分の賃金と満期慰労金の支払いを求める
Y1、Y2及びY3に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求めた。
(判決)
X3は、Y2社の期間従業員として就労し、その間、10回にわたり雇用契約が更新、その後、派遣従業員として就労
再び期間従業員として採用され、同一業務についていた。
合計約3年6か月にわたって期間従業員として就労し、その間11回の契約更新を経ているもの
派遣先が実質的に派遣労働者の採用、賃金額その他の労働条件を決定し、
配置、懲戒などを行うなどして、
派遣労働者を派遣先の労働者と同一視することができるような特段の事情がある場合には、
派遣先と派遣労働者との間において、黙示の労働契約が成立していると認める余地が生じる
Y4社において、独自の判断でX1及びX2の賃金を決定、労働時間の管理
Y1社が採用面接に類した質疑応答をした上で、同人らを受け入れることが可能であることをY4に伝えていた。
しかし、両人を選定したのはY4であって、上記面談があったとしても、Y1において、採用行為を行ったとまではいうことができない。
仮に派遣法に違反する労働者派遣が行われた場合においても、特段の事情がない限り、そのことだけによって派遣労働者と派遣元との間の雇用契約が無効になることはない。
<雇止めの有効性>
受注変動による要員の増減は期間従業員及び派遣従業員によって調整されていることが認められ、
Y2社の期間従業員の労働契約書には、契約更新の判断基準として、「会社の経営状況による契約期間満了時の業務量」との記載がされている。
受注量の増減に対応して期間従業員の増減を行う事は当然に予定されていた。
<不法行為>
労働者派遣法が「行政上の取締法規であることを踏まえれば、仮に、同法に違反する事実が認められたとしても、そのことから、直ちに派遣労働者の個々具体的な法律上保護されるべき利益が損なわれたものとみることはできない」
仮にY1社において労働者派遣法に違反する何らかの事実が認められたとしても、X5の何らかの権利又は法律上保護された利益が侵害されたとは認められず、Y1社に不法行為責任が生じるとはいえない。
(事件概要)
X1、X2は、Y1社を派遣先、Y4社を派遣元とする派遣労働者
平成21年2月 Y1からY4に対し、X1及びX2が行っていた業務に関し労働者派遣契約を更新しないとの連絡
同月16日 Y4はX1及びX2に対し同年3月31日の期間満了をもって派遣労働契約を終了すると通告
X3及びX4は、Y2に雇用された期間従業員
平成21年1月 リーマンショックに起因し、受注量の急減などにより、X3及びX4を含む期間従業員265名全員との雇用契約を同年3月28日で打ち切ることとし、通知
平成16年9月1日から17年7月31日まで
X5は、派遣従業員として、Y1に派遣
17年8月から18年1月31日まで
Y1社との間で期間従業員としての労働契約を締結し就労
18年2月から同年8月まで
Y3と派遣労働契約を締結し、Y1に就労
18年9月から同年12月まで
Y1に期間従業員として就労
19年1月から20年3月31日まで
Y3と派遣労働契約を締結し、Y1で派遣従業員として就労
20年2月頃 無断欠勤だったこともあり、Y3はX5の派遣就労を終了
20年3月26日 Y2社に派遣されて就労
21年2月 Y3とY2との間の労働者派遣契約が同契約の定めに基づき解除
Y3は、X5の派遣労働契約を、終期を待たず、同年2月28日又は同年3月4日に解雇
(訴え)
Y1社との間で労働契約が成立しているとして、地位の確認及び平成21年5月以降到来する分の賃金の支払い
Y1及びY4に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求め
Y2の雇止めが無効
Y2に対し、21年3月29日以降の労働者たる地位の確認
21年5月以降到来する分の賃金と満期慰労金の支払いを求める。
Y2及びY1に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求める。
Xら(X5、X1からX4)は、Y3を派遣元、Y1社、その後Y2社を派遣先として就労
Y1との間で労働契約が成立しているとして
Y1に対し、労働者たる地位の確認および21年2月以降到来する分の賃金と満期慰労金の支払いを求める
Y1、Y2及びY3に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円を連帯して支払うよう求めた。
(判決)
X3は、Y2社の期間従業員として就労し、その間、10回にわたり雇用契約が更新、その後、派遣従業員として就労
再び期間従業員として採用され、同一業務についていた。
合計約3年6か月にわたって期間従業員として就労し、その間11回の契約更新を経ているもの
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