歩合給賃金規定の有効性
(感想)
歩合給を用いるための一つの考え方であると思う。
当たり前とは思いながらも、これに近い形で実情は運用している企業も多いと考えられる。
付加金の対策については一つの考え方として捉えることができる。
(重要文言)
タクシー乗務員である原告Xらに支払われる歩合給の計算に当たり、計算の基礎となる「対象額A」から時間外手当及び深夜手当等割増金を控除する旨定めているYの規定は、労基法37条の趣旨に反し、ひいては公序良俗に反する
民法90条により無効
<労働基準法>
37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金) 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
4 第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
<民法>
90条(公序良俗) 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
交通費を実費支給する旨の規定とともに、歩合給の計算に当たり対象額Aから「交通費」として交通費に見合う額を差し引く旨の規定が明記されている。
これを無効と解すべきとはいえない。
Yが労基法37条の規定自体に違反したものとは認められないことになるから、Yに対して付加金の支払いを命じることはできない。
(訴え)
タクシー乗務員であるXらが、Y社の賃金規則は無効であり、Yは、控除された残業手当等相当額の賃金支払義務を負うと主張
未払賃金及び、これに対する遅延損害金の支払い、労基法114条に基づき付加金等の支払いを求めた。
(判決)
割増金と交通費の合計額が対象Aを上回る場合を別にして、揚げ高が同じである限り、時間外などの労働をしていた場合もしていなかった場合も乗務員に支払われる賃金は全く同じになるのであるから、本件規定は、法37条の規制を潜脱するものといわざるを得ない。
歩合給を用いるための一つの考え方であると思う。
当たり前とは思いながらも、これに近い形で実情は運用している企業も多いと考えられる。
付加金の対策については一つの考え方として捉えることができる。
(重要文言)
タクシー乗務員である原告Xらに支払われる歩合給の計算に当たり、計算の基礎となる「対象額A」から時間外手当及び深夜手当等割増金を控除する旨定めているYの規定は、労基法37条の趣旨に反し、ひいては公序良俗に反する
民法90条により無効
<労働基準法>
37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金) 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
4 第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
<民法>
90条(公序良俗) 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
交通費を実費支給する旨の規定とともに、歩合給の計算に当たり対象額Aから「交通費」として交通費に見合う額を差し引く旨の規定が明記されている。
これを無効と解すべきとはいえない。
Yが労基法37条の規定自体に違反したものとは認められないことになるから、Yに対して付加金の支払いを命じることはできない。
(訴え)
タクシー乗務員であるXらが、Y社の賃金規則は無効であり、Yは、控除された残業手当等相当額の賃金支払義務を負うと主張
未払賃金及び、これに対する遅延損害金の支払い、労基法114条に基づき付加金等の支払いを求めた。
(判決)
割増金と交通費の合計額が対象Aを上回る場合を別にして、揚げ高が同じである限り、時間外などの労働をしていた場合もしていなかった場合も乗務員に支払われる賃金は全く同じになるのであるから、本件規定は、法37条の規制を潜脱するものといわざるを得ない。
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