管理監督者の安全配慮義務及び、上積み補償の損益相殺
(感想)
労災上積み補償が福利厚生としてではなく、従業員の業務上の死亡による損害を填補する趣旨として損害賠償金に定められた事は有意義であると思う。
(重要文言)
脳・心筋疾患の業務上外の認定に関する厚労省労働基準局長通達「脳心臓疾患及び虚血性心疾患などの認定基準について」
① 異常な出来事
② 短期間の過重業務
③ 長期間の過重業務
<管理監督者への配慮義務>
自分の判断で自らの勤務時間を適正なものに減ずることは困難
勤怠管理の権限が与えられていたことが安全配慮義務を否定する根拠にはならない。
<損益相殺>
逸失利益 6,791万7,708円
死亡慰謝料 2,800万円
葬祭費用 150万円
(損益相殺として)
労災遺族補償年金 2,016万8,753円
葬祭料 97万6,500円
労災上積み補償 2,400万円
(事件概要)
Kが死亡したのはY社における長時間かつ過重な業務が原因
Yには安全配慮義務違反があったと主張
債務不履行に基づく損害賠償として、損害金の支払いを求めた。
平成17年6月26日 Kは、急性心筋梗塞により死亡
20年4月4日 Kの死亡原因である急性心筋梗塞が業務に起因する疾病である旨の認定
労災保険法に基づく遺族補償年金2,016万8,753円、同法に基づく葬祭料97万6,500円、
Yによる労災上積み補償2,400万円の合計4,514万5,253円がXに支払われた。
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