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期間満了までの休業手当に対する差額請求


(考察)
期間雇用者を雇う場合の考え方については、参考となる。民法536条2項については念頭に入れて対応する必要がある。休業手当の条文が役に立たないのは辛い。

(重要文言)
通算契約期間2年11か月の限度内では、臨時従業員にも雇用継続の期待に客観的合理性がるというべき
子の限度内では臨時従業員の雇止めにも解雇に関する法理が類推適用されるというべき
正社員のような期間を定めない労働契約に比べれば、上記限度内であっても、雇用継続の期待に対する合理的期待には限度があり、その保護は限定的なものになるといわざるを得ない。

有期で雇用される労働者は正社員に比して雇用継続に対する合理的期待は相対的に低くなると考えられる。
当該契約期間内に限っての雇用継続及びそれに伴う賃金債権の維持については期待が高く、その期待は合理的なものと評価すべき

臨時従業員は、雇用期間内での昇給昇進などはなく、固定された賃金を目的として短期間の期間労働契約を締結、更新しており、
その労働機関も最短2か月から最長6か月と極めて短期間であって不安定な雇用状態を余儀なくされている
雇用期間中の賃金債権の維持についての期待は保護されなければならない。

(重要条文)
民法536条(債務者の危険負担等)
1. 前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2. 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

(事件概要)
Y社に期間労働者として直接雇用
第1グループ :最短2か月から最長6か月の労働契約をいずれも7回更新
X5~X7 :期間雇用者として直接化され、最短2か月から最長6か月の労働契約を0から6回更新
再び派遣労働者として勤務
第5グループ :直接雇用の関係になく、最長でも10か月程度と言う比較的に短期間の派遣

恒常的な業務
有期雇用について更新を含め2年11か月を上限

リーマンショックに端を発して、必要人員の大幅な見直し
同年11月17日 派遣労働者については労働者派遣契約を中途解約
臨時従業員に対しては、解雇日を同年12月26日とする解雇予告を通知

平成20年12月27日から労働契約の契約期間満了日までの所定労働日につき休業扱い
労基法26条、Yの臨時従業員就業規則43条及び同規則に従う旨の労働契約書8条に基づき、平均賃金の6割の休業手当を支給

(訴え)
期間労働者または派遣労働者Xらにおいて
労働者たる地位の確認
雇用契約に基づく賃金(民法536条2項によるものを含む)
就業規則に定める満期慰労金
不法行為に基づく慰謝料

(判決)
民法536条2項により算出される賃金額と本件で実際に支給された休業手当との差額請求については、Xらの請求を認容

休業手当に関する規定があることを主張したが、労基法26条の趣旨を確認したものに過ぎず、民法536条2項の適用を排除するものとは解されない。
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