委託契約者の更新拒絶に対する労働者性と有効性
(考察)
委託契約に関する内容として興味のある判例です。当たり前の事ではありますが、委託契約書に則って対応することの重要性が分かる判例です。
(重要文言)
労基法において、労働者は、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうと定められている。(労基法9条)
当該労務提供者がこれに当たるかどうかは、契約内容および労務提供の実態などを総合考慮して、使用従属性があるといえるかどうかに帰着する。
<業務委託契約書>
1年間の契約期間が定められ、
配送業務の受託に当たっては有効期間の定めのあるソクハイ配送技能認定証の保有が必要
有効期間を延長するためにはソクハイ配送技能認定更新試験に合格する必要がある
契約の内容が説明され、署名押印
その規程の内容通りにソクハイ配送技能認定試験も受験
契約終了時期が到来するにあたっては、更新手続き等の問い合わせをしていた
実質的に期間の定めのないものであったとみることは困難
(事件概要)
Y社との間で運送請負契約書、業務委託契約書と題する契約を順次締結
Xらは、契約期間を1年間とする内容
有効期間を延長するためには、Yが実施する同内容のソクハイ配送技能認定試験に合格しなければならない。
Xらが契約終了を告知
(訴え)
Xらは労基法上の労働者であり、契約終了の告知は解雇のあたるところ、同解雇は理由がなく無効
(判決)
本件更新拒絶に解雇権濫用法理の適用があるという事はできない。
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