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全員取締役の労働者性


(考察)
内容としては、正社員をすべて役員とした場合の労働者性における考察だと思うが、管理監督者であるかどうかの査定と同様の考え方で良いと思われる。報酬において、売上高や利益をもとに考えているところは取締役としての考え方が出ていると思われる。

(条文)
労基法37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
1. 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2. 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3. 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
4. 第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

労基法114条(付加金の支払)
裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第6項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から二年以内にしなければならない。

(参考文言)
労基法上の労働者に該当するといえるか否かの問題は、労務供給者に該当するか否かの問題に帰する
客観的な事情をもとに、実質的な指揮監督関係ないし従属関係に服していたか否かという観点に基づき判断すべき

指揮監督関係ないし従属関係に服していたか否かという観点から判断すべき
① 取締役就任の経緯、
② その法令上の業務執行権限の有無、
③ 取締役としての業務執行の有無、
④ 拘束性の有無・内容、
⑤ 提供する業務の内容、
⑥ 業務に対する対価の性質及び額、
⑦ その他の事情を総合考慮

本件)
新入社員への株式譲渡についても、基本的に、その譲渡承認がされることもない
会社法296条以下所定の株主総会の招集手続きが取られたこともなく
総会として必要な同法318条所定の議事録の作成及び備置きがされた形跡はうかがわれない
活動記録に、日々の出退社時刻と各種業務時間数を入力、厳格に管理
事前の場合、欠勤報告書の提出を要し、使用などの曖昧な表現は認められない
2週間を超えての休暇及び1週間を超えての病気欠勤又は使用休暇については、給与を減額
人事異動や授業配置についても、Xが自由に選べるわけではなく、本部での決定
給与23万円程度及び、賞与を支給
その対価は、年間売上高83億円、経常利益12億円強を上げている会社である取締役の報酬としては、低廉にすぎる

(事件概要)
参加条件通知書を提出
① 就業開始日
② 就業場所
③ 業務内容
④ 就業時間、休憩時間
⑤ 休日
⑥ 給与所得
⑦ 欠勤などの査定
⑧ 通勤手当
⑨ 退職
⑩ 競業避止義務
⑪ 除名の各項目

6か月の試用期間経過後、平成23年10月17日に就任承諾書を差し入れて、形式上は取締役とされ、株式も購入
Xは、平成23年3月11日から25年12月21日まで、Y社の類塾に在籍
時間外労働を強いられていたにもかかわらず、取締役であったことを理由に残業代の支払いを受けなかった。

(判決)
Xは、Y社の実質的な指揮監督関係ないしは従属関係に服していたものといわざるを得ず、紛れもなく労基法上の労働者であったと認められるべき

時間外手当の不支給が、労基法37条に違反していることは明らか
労基法114条に基づいて、Y社に対し、過去2年分のXの時間外手当にかかる付加金の支払いを命じるのが相当
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