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契約期間満了による雇止め

平成24年5月8日、ゴールデンウィークも終わり、二日が経ちますが、まだ休日ボケが直りません。

今日の判例は、契約終了による雇止めです。

私の顧客にもありますが、契約社員として従業員を雇い、その契約を満了した際に、正社員として雇うという方法です。

本判例の会社についても同様の方法を用いており、契約期間の満了について解雇権の濫用法理が適用されるかどうかを確認するのに参考となる判例でした。



(事件概要)

平成20年5月13日、雇用期間を同日から21年4月30日までとする雇用契約を締結(20年7月12日)→ 客室乗務員に任用(21年4月20日)→ 同年5月1日から22年4月30日までの1年間で更新(2年目契約)→ 被告Y1社と雇用契約を締結した原告Xが(①)→ Y1から同契約の雇止めを通告 → 雇止めは無効であると主張(Y1に対し)→ 雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び、平成22年6月以降の未払い賃金などの支払いを求める。(②)→ Y1におけるXの上司であった被告Y2が、X1に対して、Y1からの退職を強要するなどして、Xの人格権を侵害したと主張 → Y2に対しては不法行為に基づいて、Y1に対しては不法行為(使用者責任)及び債務不履行責任(職場環境調整義務違反など)に基づいて、慰謝料などの支払いを求めた。

客室乗務員の採用 :すべて契約制(募集要項)→ 雇用形態につき「一年間の有期限雇用、但し、契約の更新は2回を限度、3年経過後は、本人の希望・適性・勤務実績を踏まえて正社員への切り替えを行います。」と記載(2年目契約において)→ 雇用期間につき、勤務実績の総合評定が一定基準に達しない場合、Y1とX双方合意に基づき雇用期間を延伸することがある。(合意に至らない場合)→ 雇止めする旨の定め(1年目契約2年目契約共に)→ 更新条項として、Xの業務適性、勤務実績、健康状態などを勘案し、業務上必要とし(Xが希望する場合)→ 本契約を更新することがある旨の定め(本件)→ 入社後4か月を得た時点で技術・知識の定着に危惧を抱く。(21年3月)→ Xの業務への取り組み姿勢、業務知識、注意力、判断力、確実性などを問題視 → 契約更新は実施するものの3か月を限度に経過観察期間と位置付ける。→「部長注意書」が交付(その後)→ 同年8月までの経過観察期間は延長 → Y2は契約満了を妥当とする旨の報告(Y1は)→ Xの課題及び職務遂行レベルのこれ以上の改善は困難と判断(22年3月31日)→ Xに対し、「会社の決定であなたの契約を終了する。今なら自己都合退職にしてあげることもできるので、4月5日までのなるべく早い段階までに気持ちをまとめて伝えてほしい。」などと通告(Xが就労の継続を希望)→ 3年目契約の更新をしないことを内容とする平成22年4月22日付通知書をXに交付 → 2年目契約の雇止めの通知


(考察)

解雇権濫用法理の適用ないし類推適用 :契約期間の存在が明記(業務上必要とする場合)→ 契約を更新することがあるという条件が明示(契約社員の2年目契約)→ 自動的に更新されることあるいは雇用期間が通算3年に達した後に正社員として雇用されることがXとY1間の雇用契約の内容となっているという事はできない。(契約社員の雇止めについて)→ 当然に解雇権濫用法理の適用があるとはいえない。(類推適用)→ 客室乗務員は、契約社員として採用 → 別に正社員として採用される制度が存在しているわけではない。(募集要項)→ 3年経過後の正社員への切り替えについて記載 → 将来正社員として採用され、長期間雇用されることを通常期待する。(団交の際の発言など)→ 契約社員についての雇用継続に対する期待利益は法的保護に値する。→ 雇用継続経過によって、雇用契約が当然に終了するというのは相当ではない。→ 解雇権濫用法理が類推適用されると解すべき

雇止めの効力 :3年の経験を経て業務適正が認められた時に初めて正社員の地位に登用するとの契約社員制度を採用していることにつき、不合理なものという事はできない。→ 客室乗務員として業務適正を欠くと判断される契約社員を雇止めにすることには合理性が認められる。→ この判断が不合理なものかどうかという観点から検討

Xに対して行った評価・判断 :その基となる事実関係を欠く不当なものであると認めることはできないこと、Xが業務適正を欠くとの判断はXの複数の上司らの概ね一致した判断、Xの業務中の過誤が多数回に及びまた繰り返されていることなど → 諸般の「事情を総合考慮すれば、Xの本件雇止めに関するY1の前記最終的な評価・判断は不合理なものとは認められない」→ 解雇権濫用法理によって無効なものになるとはいえない。

Y2およびY1による不法行為などの成否 :退職勧奨を行うことは、不当労働行為に該当する場合、不当な差別に該当する場合などを除き、労働者の任意の意思を尊重し、社会通念上相当と認められる範囲内で行われる限りにおいて違法性を有するものではない。→ その説得のための手段、方法が上記範囲を逸脱するような場合には違法性を有する。(本件)→ 懲戒免職の可能性を示唆するなどして、Xに退職を求めている言動などは、社会通念上相当と認められる範囲を逸脱している違法な退職勧奨と認められる。→ Y1もまた、この点についての使用者責任を負う。→ 慰謝料として20万円の支払いを命じる。
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