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育児休業取得による復職後の降格、賃金減額

平成24年5月13日、今日は母の日でした。
皆さんは何をプレゼントされましたか?
私は、カバンをプレゼントし、子供と一緒に渡しに行きました。

さて、今回の判例は、育児休業を取得した従業員に対する降格、賃金減額の効力についてです。
私自身、まあ、会社の負け化とは思いましたが、降格や賃金減額が育児休業以外の理由により行われているのであれば、妥当性もあるかとは思いましたが、完全に育児休業に起因するものであり、万が一起因しなくても、余りにも大きな弦楽であったので、これは妥当な判決なのかと考えました。



(事件概要)

Y社の従業員であったXが、育児休業後に復職 → 担当職務を変更されたうえ減給(Yに対して)→ 一連の人事措置は妊娠・出産をして育児休業などを取得した女性に対する、差別ないし偏見に基づくもので人事権の濫用に当たる。→ 女性差別撤廃条約、憲法、労基法、育児・介護休業法、雇用機会均等法、民法に違反する無効


(考察)
雇用契約に基づく賃金請求として、降格・減給後に給与額と降格・減給前の給与額との差額及びこれに対する遅延損害金(判決)→ 職場復帰に伴い、平成21年6月16日以降のXの役割グレードをB-1からA-9に引き下げ(役割報酬)→ 550万円から500万円に減給(同日以降の成果報酬をゼロと査定)→ Xの年棒を、産休、育休などの取得前の合計640万円から復帰後は合計520万円に引き下げたことは、違法(理由)→ 一般のサラリーマンの場合、いかに成果報酬の考え方に基づく報酬制度を導入したとはいえ、特段の事情がない限り、前年と同程度の労働を提供することによって同程度の基本的な賃金は確保できるものと期待するのが当然 → 期待を不合理なものであるという事はできない。(担当職務の変更を伴うものであっても)→ 大幅な役割報酬の減額は、人事権の濫用であって、無効なもの → 平成21年度のXの役割報酬の額は、20年度の役割報酬の額が変更されることなく引き続き適用されるものと考えられる。(年に550万円であったとし、従来の年棒額と新しい年棒額との差額請求)→ 21年6月16日から退職までの間の役割報酬の減額に伴う差額の請求を認め(合計35万4,168円)、年6分の遅延損害金の支払いも命じた。(平成21年度の成果報酬をゼロと査定したこと)→ 育介指針等に照らしても、育休などを取得して休業したことを理由とした不利益取り扱いを禁止している趣旨に反する結果(Yの成果報酬の査定)→ Xが育休などを取得したことを合理的な限度を超えて不利益に取り扱うことのないよう、成果報酬を合理的に査定する代替的な方法を検討することなく、機械的にゼロと査定したことは、人事権の濫用として違法(成果報酬)→ しかるべき金額が決定されておらず、賃金支払い請求権として具体化していない。→ 差額支払い請求が棄却

不法行為に基づく損害賠償などの支払い(判決)→ Bクラスの成果報酬の平均は60万円(平成20年度のXの成果報酬)→ 90万円(21年度のXの成果報酬)→ 本来であれば、Bクラスの平均60万円を下ることはない。→ 調整報酬20万を控除し、Xが22年2月には退職したことを考慮 → 不法行為に対するXの慰謝料として30万円とするのが相当(弁護士費用相当損害金)→ 30万円を加えた60万円をYからXに支払うように命じ、その余の請求を退けた。
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