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契約期間途中の整理解雇の有効性


(考察)
労働契約法の改正(平成25年4月1日施行)有期契約社員の無期転換制度による2018年問題に伴って、企業間でのルール化が必要になると思われる。今後はこのような判例を多く目にするだろうと思われる。

(重要文言)
労働契約の有効期間中は労契法17条に拘束されるのが原則
 労契法17条(契約期間中の解雇等)
1. 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
2. 使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。
 やむを得ない事由とは、期間満了を待たずに直ちに契約を終了させざるを得ないような重大な事由

人員削減の必要性
債務超過や赤字の累積など高度の経営上の困難から人員の削減が必要であり、
企業の合理的な運営上やむを得ないものとされるときには、
これが存在すると解される。
 本件)
累積赤字が減少傾向にあり
人員削減計画の具体的内容についてまったく主張疎明がない
債務者の経営合理化のために人員削減をすることにあったと認められる
人員削減の必要性を認めることはできない

労働契約法19条(有期労働契約の更新等)
有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
1 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
2 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。
本件)
19条2号の場合に当たると解するのが相当
 5年余りから8年余りにわたり有期労働契約の更新を多数回にわたり更新
 契約期間の設定に合理的根拠は見られない
 債権者らの業務が恒常的業務であることが一応認められること
 更新手続きは形式的なものであったこと

(訴え)
Y社に雇用され、工場で就労していた債権者有期労働契約労働のXらが、
① 整理解雇の無効
② 労働契約存続
③ 労働契約上の地位保全及び、賃金仮払い

(判決)
賃金仮払いの保全の必要性のほか、就労機会の確保、社会保険の被保険者資格継続などの必要性から地位保全の必要性が認められる。
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