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公務起因性


(考察)
公務起因性について、量的要因ではなく、質的要因を重視した判例であると思われる。
(重要文言)
公務上の災害とは、公務に起因する災害、すなわち公務員が公務に起因して負傷、疾病、傷害又は死亡した場合をいう。
公務と災害との間に相当因果関係が認められることが必要
公務と災害との間の相当因果関係の有無は、その疾病が当該公務に内在する危険が現実化したものと評価し得るか否かによって決せられるべき

脳・心臓疾患が発症した場合、公務に内在する危険が現実化して脳・心臓疾患が発症したものとして相当因果関係を認めるのが相当

(事件概要)
Kが死亡したことについて、Kの父であるXが、地方公務員災害補償基金愛知県支部長に対し、過重な公務に起因すると主張
地方公務員災害補償法に基づく公務災害認定請求をしたところ、
Kの死亡を公務外の災害と認定する処分を受けたため、本件処分の取り消しを求めた。

(判決)
発症前1ヵ月目の時間外勤務時間数は少なくとも95時間35分
民間認定基準において業務と発症との関係性が強いと評価できるとされている水準のいずれにもやや満たないもののほぼ同じ水準に達しているという事が出来る

<職務の質的過重性>
① 指導担当者の取りまとめ役、学校の実績や生徒の就職に影響する授業を担当し、担当授業に関する精神的負荷は相応に強いもの
② 全国的に非常に優秀な成績を収めており、同様の成績を収めることが期待、精神的負荷を受けていた
③ 公務及び担当授業時間数が他の教員と比較して多いものであったこと、精神的な負荷は、相当程度強いもの
④ 1日体験入学が次年度の入学者数に結びつき得る重要の職務、精神的負荷がかかるもの

以上の4点から、本件疾病の発症及びKの死亡と公務との間には相当因果関係があり、公務起因性を認めるのが相当

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