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パワハラの有効性

平成24年11月20日、お客様からの褒め言葉を別のお客様より又聞きしたときの、少し恥ずかしく、すごく嬉しい気持ちは、何度味わっても良いものです。

明日から更に頑張るぞという気持ちになった一日でした。
さて、今回の判例は、パワハラに関する事案です。少し前までの判例としては、被害にあったものが、パワハラ、セクハラにあったと感じた時点で被害者有利という判例が出ていたように感じましたが、この頃の判例は少し違うようです。
具体的には、「パワハラを行った者とされた者の人間関係、当該行為の動機・目的、時間・場所、態様などを総合考慮」であり、細かい個所は次の通りです。



12月も勉強会をさせて頂きたいと考えております。

内容としましては、「労働契約法の改定」「社会保険料の減額方法」等、会社の問題及び、経費の節減を念頭に入れたものを行いたいと考えております。

詳しい内容はコチラを参照ください。→ http://www.nakamine-office.com/1212_seminar.pdf



(事件概要)以下パワハラ(平成20年5月下旬)→ 長期欠勤中に初めて病院でメンタルケアを受診 → 精神疾患に羅患していることが記載された診断書などを提出したのは、それが初めて(平成21年1月)→ 上司の指示に反し、かつ社長決裁を経ないまま、無断で、Y1に多大な損害を被らせかねない内容の広告を出稿しようとしたことが発覚(平成21年3月25日以降)→ 有給休暇を取り、「適応障害にて、通院中である。平成21年4月1日より、1か月半程度の自宅療養を認める」との同年4月3日付診断書を提出(平成21年4月23日)→ Yとの面談を予定 → 出社時にXはすでに帰途についていたため、具体的な症状を確認することが出来ず → 直接休職命令を通知することもできなかった。→ メールにて、休職を命じた。(有給休暇終了後の平成21年4月15日から)→ 90日間の休職期間に入った。(満了時同年7月13日までに)→ Y1の就業規則24条に基づく復職願を提出せず → 本件就業規則25条により自然退職扱い
 メール :Xの休職は就業規則20条1項(4)号の「自己の都合による場合」に該当するものと判断 →「先日頂いた診断書からX1は一か月半程度の自宅療養が必要だと理解しておりますが、間違いなかったでしょうか?そうであれば、会社としては病気が完治するまで就業規則第20条に基づき休職を命じたいと考えております。休職期間…は90日間です…」
本件パワハラ1関係 Y1は、「X、おまえ、酒飲めるんだろう、そんなに大きな体をしているんだから飲め」などといって、グラスを手で防いでいるXに対し、しつこく飲酒を勧めた。
本件パワハラ4関係 Y1においては、いわゆる直行直帰を原則として禁止(平成20年7月1日)→ Y2があらかじめXに対し直帰せずに一旦帰社するよう指示していた。(しかし)→ Xは、直帰するという伝言メモを残し、既に帰宅(憤慨したY2)→ 2度にわたって携帯電話をかけ、その留守電で、Xに対し、「私、怒りました」。…「明日私は、あのー、辞表出しますので、でー、それでやってください」などと怒りを露わにする録音を行った
本件パワハラ5関係 日程調整をめぐって → Y2とXとの間でトラブルが発生(Y2は怒りを抑えきれなくなり)→ 留守電に、「…辞めろ!辞表を出せ!ぶっ殺すぞ、お前!」などと録音
 パワハラを受けたことにより精神疾患等を発症
(1) Y1については民法709条、715条および719条または労働契約上の職場環境調整義務違反(Y2)→ 民法709条および719条に基づき、連帯して、損害賠償金などの支払いを請求(判決)→ パワハラが不法行為を構成するためには、質的にも量的にも一定の違法性を具備していることが必要(具体的には)→ パワハラを行った者とされた者の人間関係、当該行為の動機・目的、時間・場所、態様などを総合考慮 →「上司等が、部下に対して、職務上の地位・権限を逸脱・濫用し、社会通念に照らし客観的な見地からみて、通常人が許容し得る範囲を著しく超えるような有形・無形の圧力を加える行為」をしたと評価される場合に限り → 被害者の人格権を侵害するものとして民法709条の不法行為を構成するものと解するのが相当(パワハラ5)→ これを有に認定することができ、かつ、同行為は、Xの人格権利益を侵害するもの → 不法行為に該当(しかし、その他のパワハラ)→ そのほとんどが、それを行った事実は認められない。あるいはXに対して不法行為と評価し得るほどの違法性を備えたパワハラに当たるものとは言い難い。(パワハラ5と適応障害との相当因果関係)→ 是認しうるだけの高度の蓋然性を認めるには未だ合理的な疑いを挟む余地があるものと言わざるを得ず → 相当因果関係は認められない。(しかし)→ その事業の執行について行った不法行為であると評価することができる。(民法715条1項、民法719条1項)→ 慰謝料として70万円が相当
 蓋然性 :ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。確からしさ。これを数量化したものが確率
 民法709条(不法行為による損害賠償) :故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
 民法715条(使用者等の責任)
一 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
二 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
三 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
 民法719条(共同不法行為者の責任)
一 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
二 行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
(2) 業務上の疾病に当たることなどを理由 → 自然退職扱いの前提となる休職命令は無効ないしは信義則に反する(判決)→ 休職命令に該当することは明らか(本件退職扱い)→ 面談を一方的に放棄 → 休職命令それ自体に対しては特に異議などを述べなかった。→ Y1から復職意思の有無や自然退職の注意喚起があった。→ その意志さえあれば容易なはずの復職願を提出せず → 休職期間の満了を迎えたもの → 退職扱いに先立って専門医などからの意見聴取を行わなかったことをもって、客観的合理性や社会的相当性に欠けるものということは出来ない。(以下、(ア)(イ))→ 地位確認請求および賃金請求が棄却
(ア) 地位確認
(イ) 退職後の賃金の支払い

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