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セクハラによる懲戒解雇

平成25年2月5日、本日は裁量労働制に関する相談で、初めてのお客様の所へ訪問しました。

かなり細かいところまで安全配慮を従業員へ施しており、初めて伺う僕から見ても、従業員思いの会社であることは明確でしたが、裁量労働制の壁は大きなものです。

国の思いと会社の思いが交わることはあるのでしょうか。

出来る限り、交わることのできる橋渡しが自分に出来ればと思います。

本日の判例は、懲戒解雇です。

内容は、二重制裁処分、徹底されていない調査等、当たり前の結論であると思われる判例でした。

セクハラで懲戒解雇が認められるのか、出来れば細かいところまで話を詰めることのできる結論であればと思いました。



(事件概要)
(X(業務第三課長)からY社に対し)
懲戒解雇、懲戒解雇までの期間の時間外・深夜・休日勤務手当及び付加金の支払いを請求 → 地位確認と解雇後の賃金を請求 → 不法行為に当たるとして、それに基づく損害の賠償
 労基署に相談 :労基署に時間外手当などの不支給の事実を申告
(Y社からXに対し)
在職中、女性職員に対するセクハラの事実 → 不法行為ないし雇用契約上の債務不履行に当たるなどとして、損害の賠償を反訴請求
 セクハラ :職員の一人が経緯を記載した書面の交付
(争点)
① 懲戒解雇の効力 :表面化させることを回避し、課長職から解任することでY社内にくすぶる不満を収めようとしてきた。→ 時間外手当などの請求をされたことに立腹して、この点を再度、問題として取り上げることにしたものと推認 → 2年も経過した後に懲戒解雇という極めて重い処分 → 二重処分のきらいがあることも否定できない。(不法行為)→ Xの時間外手当など請求の阻止という目的に出た違法な行為であることは明らか → 会社法350条、民法709条により、Xに生じた損害について賠償すべき責任を負う。→ 慰謝料30万円
ア Xから事情聴取したが否定 → 同女性職員の退職後同人からの事情聴取を実施していない。
イ 女性職員に対する再度の事情聴取も含めて何等の事実調査も行うことなく
ウ Xに対し約2年間も何らの懲戒処分を行うことがなかった。
エ 直ちにXに対する事情聴取を行うことなく放置
 二重処分 :課長職を解任 → 一般職員に降格
 不法行為
(ア) 夜間、予告なくXの自宅を訪問
(イ) 予告なく実父を訪問するという常軌を逸した行為に出ているもの
 会社法350条 :株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行なうについて第三者に与えた損害を賠償する責任を負う。
 民法709条 :故意又は過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
② 時間外手当など支払の可否 :756万余円の支払いを命じた。
(イ) 労働時間把握、管理 :タイムカードの打刻を義務付けていたことは明らか → 記載はほぼ正確なものと認めることができる。→ Yからその正確性に関し格別の反証もされていないもの → 記載に基づいて認定されるのが相当
(ロ) 年棒に時間外手当などを含む旨の合意がなされている。
(ハ) 管理監督者に該当する旨の主張をいずれも採用しなかった。
③ Xの損害賠償責任の有無等 :業務上のデータが記載されたUSBを紛失したことは不法行為に該当し、賠償すべき責任を負う。→ 内容は証拠上不明である上、それが流失したか否かも不明 → Yが損害額の立証を尽くしていないと評価するのは相当ではない。→ 将来的な流出の危険性に晒されるというリスクを無形の損害として評価する他はない。(諸般の事情を考慮)→ 紛失による損害は、30万円と認めるのが相当
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