fc2ブログ

アルバイト就労の兼業不許可と損害賠償請求

平成25年2月17日、本日は泉州マラソンの道路規制で仕事の往復に時間がかかり過ぎて大変でした。

本日の判例は、兼業に関する規定に基づいた判例でした。

兼業禁止を就業規則に記載されている企業は多くあると思いますが、それが現実にどのように作用するのかが記載されています。

改めて、兼業禁止の趣旨を考えさせられる判例でした。




(事件概要)
Xは、45万円程度 → A便の運行が終わりBを担当 → 予定外の仕事が入ることもほとんどなくなった。→ 手取りで30万円前後に低下(平成21年11月25日から完全週休二日制が導入)→ 勤務日が週5日、手取りで25万円程度に低下 → 給与額の低下で生活を維持するのが困難 → 就労しないように指導(数度に渡る許可申請)→ 運輸会社Yがいずれの申請も不許可としたのは違法 → Yに対し、不法行為に基づき、損害の賠償 → これに対する2回目の許可申請に対してYが不許可とした日から支払済みまで遅延損害金の支払いを求めた。(就業規則)→ 経営陣が、Xのアルバイト就労を黙認、認容していたことを認めるに足りる証拠はなく、Yが無許可での就労を黙認していたとはいえない。(業務内容)→ その内容に照らして合理性がある。(第1申請)→ 適切な休息時間の確保は、Xの労務提供にとって極めて重要な事項(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)→ 勤務終了後継続8時間以上の休息時間を与えることを定めている。(就業規則ウ)→ 兼業終了後Yへの労務提供開始までの休息時間が6時間を切る場合に不許可とする旨定めていることは合理性がある。(第2申請)→ アルバイト就労時間数を加えると、1日当たり、15時間もの労働をすることになり、社会通念上も過労を生じさせる。(脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準)→ 不許可としたことには合理性がある。(第3および第4申請)→ 恣意的な対応をうかがわせるもの(法定休日)→ 週に2日休日がある中のわずか3時間ないし4時間就労するに過ぎない。→ 兼業による支障を真摯に検討するという姿勢を明らかに欠くもの → 不当かつ執拗に妨げる対応 → Xの所属する組合と対立が激化していた状況にある事などを考慮 → 不当労働行為意思に基づくものと推認(精神的苦痛に対する慰謝料額)→ 対応の不合理性の程度、アルバイト就労によって得られた収入の程度、収入に占める割合、不合理性の主張立証に要した労力など → 諸事情を総合的に考慮して、30万円とするのが相当
(数度に渡る許可申請)
就労しないように指導(就業規則に違反)→ 会社の名誉と信用を傷つけた。→ 2か月間1万円の減給処分(アルバイト就労を継続)→ 再度会社の許可なく無断で在籍のまま他企業に就業したことは、就業規則に違反し服務規律を乱した行為 → 7日間の出勤停止処分(第1申請)→ すでに時間外労働しており、長時間労働 → それ以外の他企業での労働は承認できない旨回答(第2申請)→ 夜間も走行するトラック運転手として時間外労働もしており、過労で事故の危険がある。→ アルバイト先が同業他社であり、Yの機密が漏れる恐れがあることを理由として、認めない旨回答(第3申請)→ 前文に加えて、法定休日にアルバイト就労をすることで過労による事故の危険がある。(第4申請)→ 前文に加えて、十分な休息をとれないまま運転業務に従事 → 過労を原因とする交通事故を起こす恐れがあることを理由 → 認めない旨回答
第1申請 D社での午前8時30分から午後0時までの構内仕分け作業のアルバイト就労の許可申請
第2申請 午前1時から同5時までの構内仕分け作業のアルバイト就労の許可申請
 アルバイト就労時間数 :1日4時間で、1か月20時間程度勤務すると仮定、月間80時間
第3申請 日曜日午前10時から午後2時までの構内仕分け作業のアルバイト就労の許可申請
第4申請 ラーメン店での日曜日午後6時から同9時までの接客、皿洗い等のアルバイト就労の許可申請
(就業規則)
従業員が、会社の命令又は承認を受けないで在籍のまま他の事業に従事したり、又は公職に就くことを禁ずる。(労働者の兼業)→ 例外的に就業規則をもって兼業を禁止することが許される。(数度に渡って改定)→ 一貫して就業規則に無許可での兼業を禁止する旨の同一内容の定めを設けている。→ 一貫して無許可での兼業を禁止する趣旨であったとみるのが相当
ア 勤務時間以外の時間 :労働者が他の会社で就労(兼業)するために当該時間を利用することを、原則として許さなければならない。
イ 労働者の兼業 :労働者の使用者に対する労務の提供が不能または不完全になるような事態が生じる。→ 使用者の企業秘密が漏洩するなど経営秩序を乱す事態が生じることもあり得る。
ウ 労働者が行おうとする兼業 :経営秩序を乱す事態が生じ得るか → 使用者がその合理的判断を行うために、労働者に事前に兼業の許可を申請 → 使用者がその拒否を判断するという許可制を就業規則で定めることも、許される。
(業務内容)
アルバイト就労の許可を判断することは自然 合理性も認められる。
「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成12年12月25日労働省告示第120号)→ トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」
休息期間分割の特例 :業務の必要上、勤務の終了後継続した8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間(原則として2週間から4週間程度)における全勤務回数の2分の1の回数を限度として、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができます。
この場合、分割された休息期間は、1日において1回当たり継続4時間以上、合計10時間以上としてください。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

roumutaka

Author:roumutaka
毎日、2時間以上の勉強を欠かさず、一歩ずつでも前進致します。
顧問先様への新しい情報の発信及び、提案の努力を怠りません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる