既往症を持つ従業員の労災事故
こんばんは。
今日はこれから、スキーに行ってきます。
仕事で固定資産税を減額できる可能性をお客様へお伝えしたところ、かなりの反響でして、この営業は当分続けようと思った今日この頃です。
さて、本日は早めに勉強をしました。
労災保険の業務起因性についてです。
良くある内容ですが、入社前から継続される病気(既往症)を持った従業員について、どこまでが労災保険が適用されるのかを示した内容です。
少し珍しいと思ったのは、「治療機会の喪失」です。
仕事が忙しくて、治療が必要なのに行ける状況を作ることが出来なかった場合であり、本判例はこれを認めており、労災保険の不支給を取り消しております。
(事件概要)
17年10月6日朝に出勤 → Aは、普段より疲れている様子、昼食時に大量の汗 → 夕刻の救急出動後に軽度の喘息があったりする様子 → AはK出張所内で夕食をとった後、疲れたから早く休むと同僚に告げる。(午後8時半頃)→ 出張所内の救急隊寝室に向かった。(その後)→ 救急隊寝室に入った同僚らは、Aがベッドで伏臥していたために就寝しているものと考えていた。(翌朝の起床時間)→ Aが起きなかったため声を掛けた。→ Aはすでに死亡しており、死亡硬直が始まっていた。→ Aの死亡を公務災害とする認定請求 → Y横浜支部長は、Aの発症前1ヶ月間の従事職務は通常のもの → 異常な出来事や突発的事態もなく、過重な精神的、肉体的付加は認められない。→ Aのアレルギーなどの病的素因や基礎疾病が自然経過的に発症したもの → 公務外災害とする本件認定処分を行い、Y審査会も再審査請求を棄却(訴え)→ 原告Xの夫で、横浜市の消防職員であった亡Aの死亡につき、喘息などの基礎疾患によるもの → 公務外の災害に当たるとした被告の地公災基金Y横浜支部長の処分の取消を請求
職務内容 :昭和54年に横浜市消防隊員 → 救助、消化、救急の業務全般に従事(平成14年10月)→ K出張所に勤務 → 24時間2交代制
(考察)
公務起因性 :一般論として、公務と死亡との間の相当因果関係を認定するに当たっては、公務が唯一の原因または相対的に有力な原因とする場合に限らず(当該職員に基礎疾患があった場合)→ 公務の遂行が基礎疾患をその自然の経過を越えて増悪させた場合に公務起因性が認められる。(認められない場合)→ 客観的に見て治療を要する状況にあるにもかかわらず、職員において休暇の取得その他治療を受けるための方法を講じることが出来ず、引き続き職務に従事しなければならないような事情が認められるとき → 公務起因性が認められる。(本件)→ Aの死因は死亡直前の喘息発作によるものと判断するのが相当 → 消防署の勤務形態及び職場環境がAの死亡を引き起こしたとまでは認められない。(喘息の主原因)→ 自宅で飼育していたウサギをアレルゲンとするものと判断でき、Kの環境によるものと認めることは出来ない。(Aの発症前6ヶ月の勤務状況)→ 概ね月35時間未満の時間外勤務にとどまる。(休暇も取得できていた。)→ 発症当日の勤務が過重なものであったとも認められない。→ 公務の遂行によって死亡したものとは認められない。
治療機会の喪失 :発送当日、A自身が欠員の補充として救急隊の補勤にあたる。(他出張所からの補充人員で部隊編成を行なっている状況)→ Aは欠員に対する補充人員確保には担当者へ相当な負担が掛かることを認識 → Aの体調を気遣う同僚に対して、「出勤しちゃったしね。人がいればね。」と返答(職場全体の状況)→ 勤務開始後に体調不良により勤務を離脱する事が極めて少なかった。(客観的状況)→ 勤務中に喘鳴が出た時点で速やかな治療を要するところ(当時の職場環境)→ 勤務途中で公務から離脱することは著しく困難 → 職員もそのような職場環境を十分認識していた。→ 公務から離脱することを申し出ることなく公務を続けたもの → 公務と死亡との相当因果関係がある。→ 公務外認定処分を取り消した。
今日はこれから、スキーに行ってきます。
仕事で固定資産税を減額できる可能性をお客様へお伝えしたところ、かなりの反響でして、この営業は当分続けようと思った今日この頃です。
さて、本日は早めに勉強をしました。
労災保険の業務起因性についてです。
良くある内容ですが、入社前から継続される病気(既往症)を持った従業員について、どこまでが労災保険が適用されるのかを示した内容です。
少し珍しいと思ったのは、「治療機会の喪失」です。
仕事が忙しくて、治療が必要なのに行ける状況を作ることが出来なかった場合であり、本判例はこれを認めており、労災保険の不支給を取り消しております。
(事件概要)
17年10月6日朝に出勤 → Aは、普段より疲れている様子、昼食時に大量の汗 → 夕刻の救急出動後に軽度の喘息があったりする様子 → AはK出張所内で夕食をとった後、疲れたから早く休むと同僚に告げる。(午後8時半頃)→ 出張所内の救急隊寝室に向かった。(その後)→ 救急隊寝室に入った同僚らは、Aがベッドで伏臥していたために就寝しているものと考えていた。(翌朝の起床時間)→ Aが起きなかったため声を掛けた。→ Aはすでに死亡しており、死亡硬直が始まっていた。→ Aの死亡を公務災害とする認定請求 → Y横浜支部長は、Aの発症前1ヶ月間の従事職務は通常のもの → 異常な出来事や突発的事態もなく、過重な精神的、肉体的付加は認められない。→ Aのアレルギーなどの病的素因や基礎疾病が自然経過的に発症したもの → 公務外災害とする本件認定処分を行い、Y審査会も再審査請求を棄却(訴え)→ 原告Xの夫で、横浜市の消防職員であった亡Aの死亡につき、喘息などの基礎疾患によるもの → 公務外の災害に当たるとした被告の地公災基金Y横浜支部長の処分の取消を請求
職務内容 :昭和54年に横浜市消防隊員 → 救助、消化、救急の業務全般に従事(平成14年10月)→ K出張所に勤務 → 24時間2交代制
(考察)
公務起因性 :一般論として、公務と死亡との間の相当因果関係を認定するに当たっては、公務が唯一の原因または相対的に有力な原因とする場合に限らず(当該職員に基礎疾患があった場合)→ 公務の遂行が基礎疾患をその自然の経過を越えて増悪させた場合に公務起因性が認められる。(認められない場合)→ 客観的に見て治療を要する状況にあるにもかかわらず、職員において休暇の取得その他治療を受けるための方法を講じることが出来ず、引き続き職務に従事しなければならないような事情が認められるとき → 公務起因性が認められる。(本件)→ Aの死因は死亡直前の喘息発作によるものと判断するのが相当 → 消防署の勤務形態及び職場環境がAの死亡を引き起こしたとまでは認められない。(喘息の主原因)→ 自宅で飼育していたウサギをアレルゲンとするものと判断でき、Kの環境によるものと認めることは出来ない。(Aの発症前6ヶ月の勤務状況)→ 概ね月35時間未満の時間外勤務にとどまる。(休暇も取得できていた。)→ 発症当日の勤務が過重なものであったとも認められない。→ 公務の遂行によって死亡したものとは認められない。
治療機会の喪失 :発送当日、A自身が欠員の補充として救急隊の補勤にあたる。(他出張所からの補充人員で部隊編成を行なっている状況)→ Aは欠員に対する補充人員確保には担当者へ相当な負担が掛かることを認識 → Aの体調を気遣う同僚に対して、「出勤しちゃったしね。人がいればね。」と返答(職場全体の状況)→ 勤務開始後に体調不良により勤務を離脱する事が極めて少なかった。(客観的状況)→ 勤務中に喘鳴が出た時点で速やかな治療を要するところ(当時の職場環境)→ 勤務途中で公務から離脱することは著しく困難 → 職員もそのような職場環境を十分認識していた。→ 公務から離脱することを申し出ることなく公務を続けたもの → 公務と死亡との相当因果関係がある。→ 公務外認定処分を取り消した。
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